シングルマザーであるなど、ひとり親家族であるなら「児童扶養手当」を受給できるかもしれません。受給するには審査が必要ですが、その時に気になるのが元夫から頂いている・・
養育費が毎月入るのに児童扶養手当を頂いてもよいのか?もしくは、養育費を受け取っているのを隠して(申告しないで)申請してもバレないのか?など、児童扶養手当がもらえる条件にまつわる・・
養育費をもらっていているが申告しない → バレる?
慰謝料も養育費と同じでバレるとマズいのか?
申告しないで隠すとどんな罰があるのか
これらの疑問について分かりやすく見ていきます。
児童扶養手当をもらう条件はクリアしている?
まずは「養育費・慰謝料大丈夫?」の前に確認すべきなのは、そもそも支給されるための・・
条件はクリアできているのか?
ここがダメだったら、そもそも養育費がバレるのか考える必要もありません。
支給の条件は「ひとり親」であることです。両親のどちらかがいない、または両方ともいない場合があてはまります。
両親が離婚している(母子家庭、父子家庭、親戚が養育)
父母どちらかが死亡(または行方不明・拘禁・遺棄などで不在)
父母どちらかが重度の障害者である
婚外子である(婚姻せずに生まれた児童である)
両親どちらかのDVを受けている(DV保護命令がある)
ひとり親家族であるか、何らかの問題で両親がいない状態であること。そして、拘禁(こうきん)や遺棄(いき)の場合であるときは、1年以上不在であることが条件となります。
児童扶養手当をもらう条件:所得によって制限がある
児童扶養手当は、受給する(扶養する)対象者の所得、扶養義務となる人の所得金額によって支給金額の制限があります。
児童扶養手当:扶養義務者の所得制限 | |||
全部支給の 限度額 |
一部支給の 限度額 |
扶養義務者の 所得限度額 |
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扶養0人 | 49万円 | 192万円 | 236万円 |
扶養1人 | 87万円 | 230万円 | 268万円 |
扶養2人 | 125万円 | 274万円 | 312万円 |
全部支給とならずに、一部支給の範囲にある場合にはこのような計算式によって児童扶養手当の受給金額を計算できます。
10円未満は四捨五入となります。
児童扶養手当の所得制限:養育費をもらっている場合
離婚が決まった時の取り決めでは、親権がない側へ養育のお金が請求できます。それが「養育費」です。その養育費をもらっている状況であるときは・・
本人の所得額に1年間で受け取った養育費の8割を加えた額が所得制限額内であれば、手当は支給されます。
つまり、「児童扶養手当」の認定をするチェックのときに・・
毎月の給料がありつつ、養育費もいただいている状況であるときを わかりやすい例で見ていきます。
養育費ありの場合 所得計算の例
例えば、前年度のパートタイマーの所得が年間100万円であるとき。養育費として毎月5万円もらっていたとします。年間では×12で60万円になります。
児童扶養手当の申請:所得(養育費があるとき) | |||
所得の内訳 | 金額(年間) | 計算の割合 | 申請する 所得額 |
前年の所得証明書 | 100万円 | 100% | 100万円 |
養育費 | 60万円 | 80% | 48万円 |
申請する所得金額の合計 | 148万円 |
養育費とは「お金でもらう」ことが基本ですが、小切手・商品券・株券も該当し、養育権のある「ひとり親家族」が暮らしに使う費用(アパートの家賃・水道光熱費)なども含まれます。
つまり、「児童扶養手当」の申請時にこれらの80%の金額を「養育費」として申請する必要があります。
養育費を申告しない 隠すとき:不正受給はどうなる?
シングルマザーの生活はお金のやりくりが厳しいので、隠して不正受給ができないかとヒントを探す方もいます。しかし、養育費をもらっているのに「無申告」で隠していると・・
偽りの申告、必要な届出をしないなど、不正な手段で手当を受給した場合は、お支払いした手当を返還していただくとともに、法35条に基づき、3年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられることがあります。
まとめると、不正受給:隠しているのが見つかったら・・
養育費をもらっている過去の分を全額返金
3年以下の懲役。または30万円以下の罰金
このような重い罰があります。次は「慰謝料」をもらった時です。
慰謝料でもらったお金は申告する必要ある?
もう一つ、前夫(または前妻)からもうらうお金に「慰謝料」があります。離婚成立時に300万円を一度にもらったとき、または毎月2万円を慰謝料として自分の銀行口座へ振り込まれる場合も・・
このようになります。
地元の自治体:市町村のサイトでは、児童扶養手当と慰謝料についての記載がないことがあります。そんなときは、他の市町村のサイトの情報を参考にします。
次のようなものは「養育費」に含まれません。
「慰謝料」として支払われる場合
引用元:養育費について – 石巻市
児童扶養手当の所得制限を確認するときには・・
これを踏まえて、わかりやすい一覧表を見てみます。
慰謝料を一括、月ごとにもらう例でわかりやすく
まずは離婚協議が終わり、慰謝料が一括で300万円支払われたときです。
児童扶養手当の申請:所得(慰謝料 一括があるとき) | |||
所得の内訳 | 金額(年間) | 計算の割合 | 申請する 所得額 |
前年の所得証明書 | 100万円 | 100% | 100万円 |
慰謝料 | 300万円 | 0% | 0円 |
申請する所得金額の合計 | 100万円 |
次は、毎月 慰謝料を2万円振り込むことになっているときです。2万円は年間トータルでは12倍で24万円となります。
児童扶養手当の申請:所得(慰謝料 毎月があるとき) | |||
所得の内訳 | 金額(年間) | 計算の割合 | 申請する 所得額 |
前年の所得証明書 | 100万円 | 100% | 100万円 |
慰謝料 | 24万円 | 0% | 0円 |
申請する所得金額の合計 | 100万円 |
とても簡単です。
慰謝料もらっているの隠したら バレる?
この心配はいりません。慰謝料は申告なしでOKです。市役所で聞かれたときにも「100万円もらいました」と答えて大丈夫です(養育費の計算には影響しません)。
次は、養育費+慰謝料が「毎月払い」にしている時はどうなのか?です。
養育費と慰謝料が毎月振り込まれるときの例
毎月、養育費として2万円、慰謝料として2万円を振り込む決まりとなっている場合。2万円は年間では×12 で24万円。養育費、慰謝料どちらも年間24万円です。
児童扶養手当の申請:所得(養育費・慰謝料あり) | |||
所得の内訳 | 金額 (年間) |
計算の 割合 |
申請する 所得額 |
前年の所得証明書 | 100万円 | 100% | 100万円 |
養育費 | 24万円 | 80% | 19万2,000円 |
慰謝料 | 24万円 | 0% | 0円 |
申請する所得金額の合計 | 119万2,000円 |
児童扶養手当の申請時には、慰謝料について記載する項目はないはずです。それでも、市役所の職員に慰謝料の事を聞かれたときには・・
毎月2万円が振り込まれることになっています
このように言って問題ありません。
養育費と慰謝料をまとめて同じ口座へ振り込まれる場合であったときも・・
このように取り決めているのなら 通帳には毎月4万円が振り込まれていても、児童扶養手当の申告に必要なのは「養育費:2万円の80%」だけです。
まとめ:児童扶養手当 養育費と慰謝料を申告しない
児童扶養手当の審査をするときには、所得を調べます。このとき、養育費をもらっている状態であるかをチェックします。
離婚後 間もない時期には慰謝料をもらうことがあるはずです。この慰謝料については、所得の審査には影響しないため「申告しない」の選択で問題ありません。