生活保護の目的は、生活に困窮する方を保護して「健康で文化的な最低限度の生活を保障する」としています。
この「最低限度の生活」であっても娯楽は認められるのですが、どこの範囲まで認めてもらえるのか?明確な基準が分からないと不安になります。
テレビ、ゲーム機、パソコン、タブレットの所有は認められるのか
生活保護を受給しながらペットを飼うことは可能か
エアコンを購入することは認められるのか
これらの疑問について分かりやすく見ていきます。
ゲーム機、パソコン、自転車は没収されるの?
生活保護を受給するようになると、定期的にケースワーカーが訪れるようになります。このとき部屋を見せたくない理由として部屋の中にあるものが・・
よく聞かれる生活保護を受給しながら所有していると没収されそうな・・
買っても大丈夫?
となる不安になる物はこのあたりです。
生活保護のお金で買って大丈夫? | |
商品 | 購入したいもの |
ゲーム機 | 買っても良い |
ペット | 飼っても良い |
パソコン | 買っても良い |
自転車 | 買っても良い |
自動車 | 条件つきで可 |
高額な贅沢品はダメですが、一般的な家庭に存在するものであるなら「所有して問題ない」との判断となるはずです。
それぞれ どんな理由で判断しているのか順に見ていきます。
生活保護受給者がゲーム機を所有しても大丈夫か?
まずはゲーム機についてです。これは問題なくOKです。「生活するために必需品に該当するか?」と聞かれると、微妙なところですが・・
ネットやSNSでは「ゲーム機は没収される?」と聞く人もいるなど、神経質になってしまうアイテムです。
ただ、ゲーム機本体を複数台所有していたり、ゲームソフトをどっさり所有しているとケースワーカーに注意されることもあり得ます。ですが、ゲーム機を没収されることはありません。
スマホ、タブレットの所有は認められるか?
次はスマホについてです。これはもう「生活必需品」と言ってよく、これを所持していないと仕事の連絡が困難となり社会生活そのものに支障が出てしまいます。そため所持は認められます。しかし・・
2つのスマホを切り替えて利用する方がいますが、そのスタイルはNGです。理由は「最低限の生活」を超えているからです。
同様にタブレットの所有も1つならOK、複数を所持すると注意の対象となります。これらモバイル機器に使用するネット回線も複数を契約していると注意の対象となります。
生活保護受給者がパソコンを所有しても大丈夫か?
就職先を探すときにはパソコンがあると便利です。仕事探しに用途を限定するならハローワークに行くと検索用のパソコンが用意されています。
となれば、自宅のパソコンを所有する必要はなくなりますが・・
タブレットもパソコンもゲームをする端末と考えると、家庭用ゲーム機+タブレット+パソコンの所有は贅沢品のようですが、どこの家庭でもパソコンが1台以上あるのは常識であると考えられることから、認められます。
ただしパソコンは3万円のノートPCから、30万円のゲーミングPCまで性能と価格の範囲がとても広くなります。あまりに高額すぎるパソコンは「最低限の生活」の範囲を超えているため要注意となります。
生活保護受給者がエアコンを購入することは可能か?
夏場では熱中症となる懸念もあることから、エアコンは生活必需品として認められています。
エアコン
ストーブ
空気清浄機
これらについて詮索されることはないはずです。空気清浄機は贅沢品のように思われがちですが、特別な疾患(ぜんそく、花粉症など)がない方でも認められます。
数千円の便利家電:オーブントースターやホットプレート、ドライヤー、シンクの蛇口に浄水器を取り付けても許可されます。これらは生活に必要な物の範囲に入っています。
車は没収される?生活保護の受給と所有できる車とは
車に関しては、ある程度のところで線引きがあります。高級車、または2台目の車ならアウトです。所有が認められるのは・・
通勤・障害者の送迎に使用
公共交通機関のない地域
夜間の勤務に使用する
電車・バスなど安い公共交通機関が利用しにくい地域だったり、障害があるなど何らかの理由があるとき、または・・
これらの条件にあてはまるなら認められるはずです。
普通の生活レベルの家庭が所有している贅沢品でない車ならOKと判断されます。このあたりの疑問についても、購入前にケースワーカーに相談すると安心できます。
生活保護の受給者がペットを飼うことは可能か?
ペットについては、一般的な「小鳥、ハムスター、犬、猫、金魚、熱帯魚」などであれば認められます。生活保護では・・
基本は許可されることになりますが、サイズが大きく飼育スペースを別に確保する必要があるペットを飼いたいときは、事前にケースワーカーに相談すべきです。
ただし、餌の代金、病気になったときの治療費が生活を圧迫します。また、ペットか許可される賃貸アパートを選ぶことは賃貸料金アップの要因にもなります。
追加のお金がもらえることも|生活保護法:家具什器費の支給
家庭訪問をして、ケースワーカーが貧困すぎて最低限の生活を維持できる状態では無いと判断するとき、生活保護のお金とは別に「家具什器費」というお金がもらえることがあります。
生活保護法の「実施要領」によると・・
炊事用具、食器等の家具什器を必要とする状態にあると認められるときは、29,500円の範囲内において支給。
さらに、「真にやむを得ない事情により・・」という前置きがあって最大で47,000円まで支給する・・とあります。
生活保護法の家具什器費 支給が決定する条件とは
「家具什器費」が支給となるのはこんな時です。
保護開始時
長期入院・入所後退院・退所した場合
犯罪、家庭内暴力を受け、安全のために新たに借家等に転居する場合
新たに生活を始めるとき、生活保護のお金だけでは最低限の生活が困難なときがあります。例えば・・
調理器具なし
お皿、コップなし
ライト(電球)なし
カーテンなし
これらが買えない状態を我慢するのはあまりにも厳しいので、家具什器費が追加されて認められるものは購入が可能になります。
家具什器費:最低限の生活に必要なものが支給された例
また、家具什器費とは別に「配電設備費、下水道設備費」が支給されることがあります。
配電設備費・・家屋の電気配線に問題あり
下水道設備費・・近隣の衛生を著しく損うとき
生活保護の開始時、またはトラブルで転居して急に新生活が開始されたときには、ケースワーカーに家庭訪問に来てもらい 普通の生活ができない困っている箇所を相談するべきです。
まとめ:生活保護 持てないものとは?
生活保護を受給している方でも、娯楽を楽しみたいので買いたい物があります。しかし、どこまで買っていいのか分からないために不安になります。生活保護法には・・
このような記載はなく、一般的な家庭で見かけるもの(低所得者世帯であっても普通にあるもの)なら、そのほとんどが所有して問題ありません。